LTV(ライフタイムバリュー)とは?長期的繁栄のためのマーケティング徹底解説

今さらだけど、LTVって何のこと?なぜLTVは長期的な収益率アップのために重要なの?LTVを上げるための方法やマーケティング戦略が知りたい。

今日はマーケティング用語LTVに関する全ての疑問を徹底解説します。

✔️このブログで学べること
1.LTV:ライフタイムバリューとは?【ビジネスへの影響と計算方法も解説】
2.LTVを向上させる方法
3.LTVを最大化し収益を上げるためのマーケティング戦略

✔️記事の信頼性

記事を書いている私は、米国ロサンゼルスで現役マーケティングコンサルタントとして生計を立てています。デジタルマーケティングエージェンシーNEXT LEVEL BIZZも経営しており、ビジネスの中心地米国の最新情報提供にコミットしています。

それでは早速LTVの解説に入りたいと思います。

LTV(ライフタイムバリュー)とは?

LTV(Lifetime Value/ライフタイムバリュー)とは、一人当たりの顧客が一生涯を通してビジネスへ落とす利益価値を指すマーケティングの専門用語です。日本語では「顧客生涯価値」と訳されます。LTVの向上は、長期的なビジネス成長を達成する上で欠かせません。

まず、LTVの重要性に関して深堀したあとに、LTVの計算方法を解説します。

LTV向上が長期的なビジネス成長に影響する理由

理由は様々ですが、特に重要な要因をまとめると大きく2つです。

①既存顧客LTV向上の方が、新規顧客獲得よりも比較的リスクが低く簡単

②新規顧客開拓に費やした投資を最大化できる

もう少し分かりやすく説明します。

まず、新規顧客を獲得するためには、以下のフローを全てクリアしなければ利益化は達成できません。

  1. 認知:自社の存在を知らない見込み客にブランドを認知してもらう
  2. 興味:自社の商品・サービスに対する興味を換気する
  3. リスク検討:自社のサービス・商品に金銭的リスクを負ってまで『購入したい』と思ってもらう
  4. 行動喚起:実際に購入に直結する最終行動に駆り立てる

文字にすると大袈裟に聞こえますが(笑)、新規顧客の視点から見ると、使ったことのないブランド商品の購入検討は未知の領域です。その中で、購入の決断をしてもらい利益化に繋げるには、ビジネス側の大きな努力を要します。

しかし、自社ブランドを既に一度購入し、価値を体験している既存顧客の場合、「認知・興味・リスク検討」の3つの流れはスキップし、「また買いたい」というリピート欲求を刺激するだけで、新規顧客と同じ、またはそれ以上の利益を、繰り返し継続的に排出し続けることが可能となります。

つまり、既存顧客との関係性向上によるLTVの改善は、新規顧客の開拓よりも簡単にリスクも低く達成されることが可能なのです。

また、せっかく努力して獲得した既存顧客との良好な関係性の持続・向上を怠ることは、目の前に存在するビジネスチャンスを逃している事と同じです。

もちろん、ビジネス成長に新規顧客の開拓は必要不可欠ですが、真に誠実性に満ちたビジネスとは、初回購入時の一度限りではなく、一生涯を通しお客様をかけがえのない大切な相手として扱い、価値を付随し続けることができるビジネスだと思います。

ここで、世界一のマーケティング戦略家と称される、ジェイ・エイブラハム氏の「ビジネス成長を達成する3つの方法」という考え方を紹介します。

●ビジネス成長を達成する3つの方法
①顧客の数を増やす(新規顧客開拓)
②顧客一人当たりの購入額を増やす(LTV向上)
③顧客一人当たりの購入頻度を増やす(LTV向上)

大半のビジネスが、新規顧客獲得に集中したマーケティング戦略にほとんどの時間と費用を投資してしまいがちです。しかし、長期的な右肩上がりのビジネス成長を達成したければ、新規顧客開拓と同時に、LTV向上のための、既存顧客向けのマーケティングも同じくらい力を入れて行う必要がある事を覚えておいてください。

LTVを明確化すると無駄なマーケティング投資に気付ける

顧客一人当たりのLTVを明確にすると、新規顧客獲得のための初期投資額の割り当て方が変わります。つまり、結果のでないマーケティング資金の使い方を改め、無駄のない効率的なバジェット計画の実現が可能になるのです。逆に、どれほどプロモーションにお金を使っても、新規顧客獲得率が上がらないという問題を抱えているビジネスは、結果に繋がらない非効率的な間違った資金投資をしてしまっている可能性が高いです。

一体どういうことか、営業による新規顧客獲得をメインに収益をあげている美容サロンを例にして説明してみます。(※数値は勝手に作りました)

✔️美容サロンの例

【ビジネス基礎情報】
■新規顧客の初回購入額平均
・10万円/人
■LTV平均
・80万円/人

【LTV計算前の状況】
■顧客一人の獲得にかかる費用
・初回販売額の30%営業コミッション(平均3万円)
■結果
 ・毎月平均10名の新規顧客
・新規顧客から得る月間収益→10万円x10名-(10万円x0.3)=70万円
・ひと月あたりの新規顧客から得る生涯収益→80万円x10名-(10万円x0.3x10)=770万円

【LTV計算後の状況】
■顧客一人の獲得にかかる費用
・初回販売額の100%営業コミッション(平均10万円)
■結果
 ・毎月平均30名の新規顧客
・ビジネスが新規顧客から得る月間収益→0円
・ビジネスが得る障害収益→80万円x30名-(10万円x30)=2,370万円

一般的に、妥当なマーケティング額は全体利益の30%と言われれいます。

それに従い新規顧客の初回購入額平均を基準にして30%計算すると、最大30%コミッションが妥当となるかもしれません。しかし、LTVが分かっていると、初期投資にかける費用の基準が変わってきます。この例の場合、営業担当者のコミッションを100%にあげることで、セールスマンのやる気を向上させ、ひと月あたりの集客数を大きく向上させることが可能になります。

✔️LTV計算前と計算後の比較

■計算前
新規顧客から得る月間収益→10万円x10名-(10万円x0.3)=70万円
ひと月あたりの新規顧客から得る生涯収益→80万円x10名-(10万円x0.3x10)=770万円

■計算後
新規顧客から得る月間収益→10万円x30名-(10万円x1)=0万円
ひと月あたりの新規顧客から得る生涯収益→80万円x30名-(10万円x30)=2,370万円

仮に成果報酬額が増えたことで営業による顧客獲得の成果を3倍に向上できた場合、将来の利益額も約3倍以上となるのです。

短期的に見ると、顧客獲得後初月の利益が0となり、一見ビジネス側が損をしているように見えますが、長期的な見方をすると、ひと月で獲得した新規顧客から生涯を通して得ることができるビジネス側の利益は確実に増えています。

このように、LTV数値を考慮したバジェット戦略で、営業担当者へのコミッションを上げ、月の顧客獲得率の向上に短期間で成功し、一年で億単位の収益を達成できた成功事例は数多く存在します。

LTVの計算方法

LTVの計算公式は以下です。

LTV=購買単価×収益率x購買頻度×継続期間 –(新規顧客獲得費用+既存顧客維持費)

例えば、購買単価は10万円、収益率80%、購買頻度年に2回、継続期間10年、新規顧客獲得費用5万円、既存顧客維持費3万円の場合、計算式は以下です。

LTV=10万x80%x2回x10年 (5万+3万)=152万円

顧客一人あたりが、生涯を通してビジネスに落としてくれる利益は152万円となります。

LTV(ライフタイムバリュー)を向上する方法

ここからは、LTVを向上するための方法を詳しく説明していきます。

ターゲット層を明確化する

LTVを向上させるには、まずターゲットとなる顧客を明確に特定することが重要です。生涯を通して良好な関係を築くためには、それを望んでいる相手を見つける必要があるからです。

分かりやすく人生に例えてみます。もし、あなたが結婚したければ、同じく結婚を望んでいる相手を見つける必要がありますよね。仮にブラピ級のイケメンと付き合うことができても、相手に結婚願望がなければ、今この瞬間は楽しいけど将来的な進展は期待できない一時的な関係で終わってしまします。そうすると、最終的にあなたは、結婚を拒否されたという心の傷や、婚期を逃すなどの時間的損害を被ることになりります。このように、お互いの期待や望みを初めから明確に確認することで、、ニーズとデマンドがマッチすることを確実にしておかないと、結果としてトラブルや損害の元となるのです。

ビジネスでも同じことがいえます。自社が関わりたいターゲット層の特徴を明確に把握した上でアプローチをしないと、うっかりビジネスが提供する価値を必要としていない相手にアプローチをしてしまいます。仮に初回購入を促すことに成功したとしても、ほとんどの場合2回目以降の購入にはつながらないでしょう。

また、LTVが向上しないどころか、低いクチコミ・レビューが増える、返品率が増えるといったような、損害やトラブルにすら発展してしまう可能性が高くなるのです。

このような状況を避けるためには、顧客選定の時点から、需要と供給が自社ブランドの提供価値と見合うターゲット層を明確化し、長期的で良好な関係を築けるポテンシャルの高い見込み顧客へピンポイントでアプローチをすることが効率的です。

顧客目線での真の価値を知る

LTVを向上において1番大切なのは「正しい価値を提供する」ということです。なぜなら、全てのビジネス活動は価値の交換によって成り立っているです。ビジネスが提供する商品に価値を感じるから、顧客はその対価としてお金を支払います。

そして、顧客があなたのビジネスへ感じる価値の度合いに比例して、次回もあなたから購入したいと思う気持ちも大きくなります。

正しい価値を提供するためには、相手にとっての真の価値とは何なのかを深く理解することが重要です。

ここでちょっと昔話をします。

私が子供のころ、車保険屋のKさんという男性がいました。Kさんは、もちろん保険屋として私の両親の状況にとって1番ベストな保険を探し紹介してくれました。そして、事故や車関係のトラブルが起こる都度、電話や家庭訪問を行い保険申請の手続きを手伝ってくれます。

しかし、幼かった私が彼を覚えている理由はそれだけではありません。私の親戚に不幸があった時、または、家族にお祝い事があった時、彼はいつも連絡を入れたりギフトを送ってくれたりしました。その結果、Kさんは我が家にとって保険屋以上の存在となり、私の両親は、彼が病気で亡くなるまでの20数年の間、一生彼の顧客でい続けました。

なぜ私がこの話をしたか、何となく予想がつくかと思います。この保険屋Kさんこそ、「正しい価値を提供」を真に理解していたビジネスマンの良い例だからです

単に車の保険を提供するだけでなく、として、お客様が安心して生活できる日常の一部になるため、保険販売という営業活動の枠を超え「万が一の時に頼れる存在」として価値の付随を実践し続けていました。

私たちが車保険を購入する理由は、万が一の時に頼れるサポートを得るためですが、心の奥深くでは「困った時に頼れる誰か・何か」という存在を求めています。それに気づくことができると、顧客目線での正しい真の価値の提供が可能となり、Kさんのように、クライアントとの生涯を通した良好な関係を築くことが可能となります。

20年という長い関係の中で、私の両親がKさんにどれほどの紹介客を送ったかは言う必要もないでしょう。

最高の商品・サービスの提供

顧客へ価値を継続的に提供し続けるためには、自社が提供する商品・サービスの提供内容や質を改善し続ける事が大切です。

If you are not growing, you are dying.

「成長をやめてしまったのなら、死に向かっている」

世界的に有名なライフコーチ、アンソニーロビンスの名言です。

ビジネスも、改善を通して成長し続けることをやめると、そこで全てが止まってしまいます。市場には多くの競合が存在し、お客様がビジネスに求める水準や欲求も日々高まっています。それに比例して、日々改善を加え成長し続けなければ、LTVの維持・向上も難しくなり、停滞してしまうのです。

ビジネスで成長をしたければ、現状維持で終わるのではなく、更なる高みを目指して成長し続ける意識を大切にしましょう。

最高の商品・サービスの提供

今回は、ビジネス成長には欠かせないLTV(ライフタイムバリュー)の説明と、LTV向上のための基礎的な方法を紹介しました。

最後まで読んで頂きありがとうございました。マーケティングに興味がある友人や同僚の方にも是非シェアしていただけると嬉しいです^^