こんにちは、YUKIです。
いきなりですが、クイズです…
世界中に何千と存在するアイスクリームブランドの中で、サーティーワンアイスクリームが、人気のトップブランドに成長し、世界中で認知を高めることができた理由はなぜだとおもいますか?
答えは、明確なUSP(Unique Selling Proposition)=自社独特の強みを確立した上で、マーケティング活動を行なったからです。
サーティーワンは、31日間、毎日異なった種類のアイスクリームフレーバーが食べれる!という、当時どの競合も提供していなかった、独特で魅力的なコンセプトを提唱したことで、顧客層の指示を獲得しました。
つまり、「豊富なフレーバーの提供で、毎日違った味を体験するワクワク感をお届けできます!」という自社の強みに特化したプロモーション活動をこなうことで、市場トップブランドの座に上り詰めたという事です。
あなたがどの業界にいても、このUSP理解し、自社のビジネスに応用できるようになると、競合が手打ちできないほどパワフルなマーケティング戦略を実施することが可能になります。
とは言っても、ビジネスの場面で、時折耳にする単語ですが、英語だし、なんだか難しく聞こえて、いまいちコンセプトが理解できないという方も多くいらっしゃるかと思います。
そこで本記事では、市場で唯一の存在になって顧客を自社の虜にするUSPの作り方を分かりやくす解説します。
この記事で学べること
- USPとは何か
- 売れるUSPの作り方3つのステップ
USPを確立して、これまでと比較できないほど大きなビジネス成長を実現したい方は、是非参考にしてください。
この記事を書いた人
それでは早速、本題に入ります。
USPとは
一言でいうと、自社独自の差別化ポイントのことです。
市場で唯一の存在になるためのたった一つの戦略と言っても過言ではありません。成功している全てのブランドが、明確なUSPを持っています。
さらに深掘りしてUSPの解説を行います。
USPの定義
まず初めに、定義の明確化から。
USPは英語のUnique Selling Propisitionの略です。
各単語には以下の意味があります。
Unique(ユニーク):独特の
Selling(セリング):販売上の
Proposition(プロポジション): 提案
つまり、日本語に直訳すると「独自の販売提案」という意味で、USPとは「自社にしか提供できない唯一無二の価値の提案」のことです。
さらに砕いて言うと、自社にしかない独自の強みとも言えます。
USPは1960年代に、広告の巨匠ロッサー・リーブスによって提唱されたコンセプトで、その後、世界一のマーケティングコンサルタント、ジェイ・エイブラハム氏によって世の中の起業家・経営者たちに広められたと言われています。
▼ロッサー・リーブス氏著書
USPの重要性
ビジネス・マーケティング戦略の確立において、USPが重要な理由はとてもシンプルで、飽和した市場の中で、ターゲット層に競合他社ではなく自社を選んでもらう理由を提供するためです。
イメージしやすいように、先ほどのサーティーワンのUSP例を具体例にして説明します。
もしあなたが、同じ美味しさで価格帯も同じのアイスクリーム屋さん2件を知っている場合、次のどちらを選ぶでしょうか?
A社:「おいしいアイスクリーム」以外に特別な売りがない
B社:「31日間毎日違うフレーバーを食べれる、味の選択肢が豊富なおいしいアイスクリームのお店」という売りがある。
さて、あなたの足はどちらの店に向くでしょう?ほとんどの人が、フレーバーの選択肢が多い、B社の方を選ぶでしょう。
このように、インパクトのあるUSPは、顧客の購買決断を後押する大きな要素となります。
特に最近では、インターネットが普及し、誰でも簡単に起業することが可能になった反面、ビジネス市場はこれまで以上に飽和状態にあります。競合が多いからこそ、自社にしかない独自の売りとなるUSPを持っておくことが重要です。
USPになり得る要素
USPになり得る要素には多くがありますが、代表的な例を出すと以下です。
- 価格
- 機能性
- 品質
- 幅広い選択肢
- 優れたカスタマーサポート
- サービス提供の瞬時性
- これまでの実績
などなど、他にもたくさんあります。
ポイントは、自社以外の誰も提供していない(または、できない)競争上のアドバンテージとなる何かを見つけ出す事です。
有名企業のUSP例
ここで、魅力的なUSPを提供している企業の例をいくつかご紹介します。
✅ドミノピザ USP: 30分以内で熱々のピザを配達します!
しかも、配達が遅れると返金してもらえる補償付きです。このUSPのおかげで、ドミノピザは市場からの指示を得ました。どれほど人気かというと、「ピザと言えば?」と聞くと82%の人が「ドミノピザ!」と回答するほど人気らしいです!
✅FedEx USP: 絶対に一晩で荷物を発送します!
私もつい昨日、一晩で発送したい書類があり、サービスを利用したばかりです。
FedExはこの約束を徹底するために、650機以上の飛行機を所有しているらしいです。これらは全て、乗客は乗せない貨物専用機です。ちなみに、650機所有すると、世界でトップ5の航空会社にランク入りすることになります。
✅M&M’s USP: 子供が手を汚さずに食べれるチョコレートです!
外側にコーティングがついている事で、子供の手がチョコまみれにならずに食べれるお菓子、というユニークなコンセプトで母親層の指示を得ました。今でこそ、コーティング付きのチョコ菓子は沢山ありますが、ヒットした当時はとても画期的なコンセプトでした。私も子供の頃、母からよくコーティング付きのチョコなど、散らからないお菓子を買ってもらっていきた記憶があります。笑
他社の成功例をインスピレーションに、独自の強みを検討して見てください。
USP作成時によくある間違い
ここで一つ注意点です。
USP作成の際、「ビジネスのスローガン」と「売りの提案」を混同してしまう人がいます。しかし、この二つは全くの別物です。
例えば、皆さんもよく知る有名なスローガンにNIKEの『JUST DO IT』がありますが、これはあくまでも、ブランドのキャッチコピーであり、独自の強みとなる差別化ポイントではありません。NikeのUSPは、「アスリートや運動する人に最高品質のシューズを届けること」です。
またもう一つ例をあげると、アップルの有名なキャッチコピー『Think Differently』もUSPではなくスローガンです。独自の売りの提案となるUSPには、iPodを発売した際の「1,000曲をポケットに」などがあります。iPod以前は、CDプレイヤーなどを持ち歩いていたため、機械も大きく、ポータブルプレーヤーでも最大100曲ほどしかダウンロードできなかった為、とても画期的な売りの提案となりました。
USPの肝は、かっこいいブランドイメージとなるキャッチコピーの作成ではなく、購買決断を促す要因となる魅力的なオファーを提供することです。
売れるUSPの作り方3ステップ
結論からいうと、USPは以下3つのステップで作成することができます。
- 市場のニーズを見極める
- 自社独特の強みを明確化する
- 魅力的でインパクトのある一言で表す
各ステップ毎の詳しい説明に入る前に、一点とても大切なポイント、USPを作成する前に必ず覚えておくべき大前提に関してお話します。
それは、USPは提供可能な内容でなければならないということです。
あなたのビジネスが提供できないことを約束してしまうと、顧客との信頼を失うことになり、マーケティングは大失敗に終わってしまいます。
ビジネスで真に成功をしたければ、顧客に対して常に誠実であることを大切にすべきです。
市場のニーズを見極める
まずは、あなたの顧客層が必要としていて、競合他社が解決策を提供していない、市場のニーズを分析します。
顧客層が不便さを抱えていて、まだ誰も気づいていないギャップは、本気で探せば意外と多く転がっているものです。
顧客の最大の悩みは何か、彼らの生活を今以上に便利で快適にする方法は他にないだろうか?と自問し、アイディアを出します。時間をかけて、しっかり市場調査を行いましょう。
また、USPを作るためには、一からサービスを作り直さないといけないわけではありません。既に存在するサービスを掛け合わせて提供することで、顧客のニーズを満たせる真新しいUSPの構築が実現する場合もあります。
非線形思考を使って、新しい視点から、顧客に寄り添った目線で市場を見ることが大切です。
自社独特の強みを明確化する
第2のステップは、自社の強みは何かを明確化することです。
手厚いサポートを提供できること、品揃えが豊富なこと、立地がいいこと、などなど、自社ならではの強みは探せば絶対に存在するものです。
そして、ステップ1で発見した市場のニーズを、自社の強みを使って、どのように埋めることができるかを検討します。
魅力的でインパクトのある一言で表す
最後に、ステップ①と②で発見した、自社にしか提供できないUSPを、インパクトのある魅力的な一言にまとめます。
どんなに素晴らしい価値を提供することができても、伝わりやすい方法でその価値を表現し、相手の興味を惹くことができなければ、誰にも知って貰えずに終わってしまいます。
USPを表す一言を、時間をかけて丁寧に考えることは、今後効果のあるマーケティング戦略を実施していく上では欠かせないステップです。
抽象的にならずに、シンプルでありながらも明確で、インパクトが強く魅力的なUSPの表現方法を考案しましょう。
最後に
USPの明確化とは、ビジネスが提供できる価値を最大化させ、より市場に貢献できるビジネス活動を行うための初めの一歩です。
自社の強みを、顧客にとって分かりやすい方法で明確に正しく伝えることできると、必要な人に必要なサポートや解決策の提供をすることが可能になります。
ビジネス活動の中枢となるのは、何時でも価値の提供であるということを忘れないようにしましょう。
自社の提案(プロポジション)を通して、今後関わる全ての顧客の人生を、より良く素敵なものにする、という使命をもった上でUSPの作成を行うと、インパクトが強くなりますよ。
経営者、そして自社の活動に関わるチーム全員の、ビジネスに対する考え方と向き合い方に、前向きで情熱的なシフトが起こった時、あなたのビジネスは、これまで以上に価値に溢れ、社会へ貢献できる企業に変わることができます。
ビジネス側の利益だけを優先する戦略ではなく、ビジネスも顧客も両方がハッピーになることができる経営・マーケティング活動をすることで、一緒に世の中をより良い場所にして行きましょう!
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